庄内地方は日本海に面しているから関東から西日本とは気候がだいぶ違います。
グランゴワールは30年以上東京に住んでいたのでその差をはっきりと感じています。
まず、冬。極寒の地なんでしょうが、それほど寒くはありません。
ただ、冬は列島の西側、つまり日本海に面しているので、日照時間が短くなります。
灰色の曇り空、黒々とした日本海の荒波といったイメージでしょうか?
大陸からの北西の風が強いので、平野部では雪が横殴りに吹き付けます。
少し高い山脈にぶつかって、山の裾野や山を越えた内陸部に上か雪が積もる感じです。
平野部では積もった雪も風で飛ばされていくので、それほど積もりません。
風が舞って渦巻くようなところに、吹き溜まりとして雪が残るような感じです。
風が強すぎるので、関東の様に正月に凧揚げなんて出来そうもありません。
凧揚げは、稲を刈り取った後ぐらいの、秋にやることが多いです。
家のつくりが寒冷地用になっているので、最近は暖房効率が良く、下手をすると室内は東京より暖かいかもしれません。
同じ日本海側でも、庄内地方以南では瓦の屋根が普通ですが、秋田以北では瓦の屋根は少なくなります。寒すぎて瓦が割れるらしく、瓦屋根の北限が庄内地方になっているようです。
春、大体ゴールンウイークの10日前ぐらいまでソメイヨシノが咲きません。最近は温暖化ですこし開花時期が早まる傾向にあります。桜が散ると田植えの時期になります。だだちゃ豆の植え付けもこのころ始まります。各市町村の町祭りも花見の時期と田植えの時期の間に開催されるか、米の収穫時期の後に開催されるかの2パターンです。
夏、たまにフェーン現象で40度を超えるときがあります(しばらくの間、日本最高気温を観測したのが酒田気象台だった時期があります)40度を超えると人の体温よりも厚くなるわけで、「暑いから近くによるな」ではなく「暑いから近くに寄れ」となるわけですね。笑い。実際の40度越えの体感ですが、熱風の風が吹くので、鳴いていた蝉が、風が吹いた瞬間に気絶してボタボタと樹から落ちてきたりしました。でも、そのような日はほんの数日しかありません。真夏日はあっても熱帯夜は滅多にありません。夕方には涼しくなるのでエアコンも日中以外は殆ど必要ありません。梅雨と言っても関東のようなジメジメが長く続いたりはしないので「あれっ、梅雨ってもう開けたの?」っていうくらいいつの間にか終わってしまいます。更に良いのは、台風の直撃を殆ど受けないという事です。一番雨が降るのが夏の終わりの長雨という感じです。
秋、庄内米の産地であると同時に果物王国でもあります。柑橘類や南国産の果物を除くほとんどのフルーツの生産量で日本でTOP5に入っています。初夏から継続でサクランボ・スイカ・メロン・ブドウ・桃・リンゴ・梨やラフランス・庄内柿など、美味しいですよ。路地物が安く買えるのでおそらく東京の半額程度でたくさん食べることが出来ます。お米は「雪若丸」「つやひめ」「はえぬき」「どまんなか」などが庄内米のブランド。他に「あきたこまち」や「ササニシキ」も定番です。ただ、農協の「雪若丸」「つやひめ」のパッケージデザインが今一ぱっとしない。がグランゴワールにとっては残念です。米の収穫時期が終わって冬支度が始まる頃にも各市町村の祭りが幾つかあります。
庄内地方は、長い間、脳卒中や胃がんの発症率が日本でトップクラスだった時期があります。それは、長い冬の間、米はあってもおかずがない状態になるので、漬物などの保存食が発展し、味付けが塩っ辛いのが原因だったのです。で、漬物のメーカーが多数あります。日本酒の蔵元が沢山ある関係もあって、酒粕漬なども絶品です。東京のスーパーなどでも庄内産の漬物を見かけたこともありました。
またの機会があったら、庄内産の食品について詳しく紹介していこうかと思います。では今日はこれまで。