今日は取っても短い庄内弁を紹介。
庄内地方は冬はとっても寒い。北西の季節風が強い影響で、寒いので口を大きく開かずにしゃべる事、短く発生する事から、生まれた方言が数多くある。その最たるものを紹介。
「コブラ対マングース。ふっか?ふぁいっか?」
どういう意味だと思う?
感の良い読者ならお分かりだろう。
「コブラ対マングース。食うか食われるか?」という意味。
「食う」⇒「くぅ」⇒「く」⇒「ふ」
「食われる」⇒「くぁれる」⇒「くぁいる」⇒「かいる」⇒「ふぁいる」
と庄内弁に変換される。
「食え」⇒「け」または「ふぇ」「へ」とも変換される。
「まま、け」「まま、へ」⇒「ご飯を食べなさい」の意味。
「まま、く」⇒「ご飯を食べる」の意味。
「まま、くっがぁ?」「まま、くっが?」「まま、ふっが?」⇒「ご飯を食べるかい?」「ご飯を食べようか?」の意味。
「まま、くっが?」「まま、こぅ」「おれ、く」「おめも、けぇ」⇒「ご飯を食べようか?「ご飯を食べよう」「私は食べる」「貴方も食べなさい」の意味。カ行がハ行に変換されるのは、より北風が強い日本海沿岸の海岸地帯に多いような気がする。
短い方言のあれこれを追加で紹介すると
「どさ?」⇒「何処に?」
「どさいぐなや?」⇒「何処に行くんですか?」
「いさいぐ」⇒「家に帰ります」
遊佐という地名があるのだが、その街を紹介するプロモビデオのキャッチフレーズが
「どさ?」「ゆさ」⇒「何処に行くの?」「遊佐へ行きます」なのは笑える。
「ぶ」⇒「おんぶする」「背負う」の意味。
「べ」⇒「おんぶしなさい」「背負いなさい」の意味。
「あべ」⇒阿部さんではない⇒「来なさい」の意味。
「まんず、いっしょに、あべばいちゃ」⇒「まず、一緒に来ればいいよ。来なさい」の意味。
年寄りだと、「大工」が「でぇぐ」に変換されることもあるので、ただ単に寒いから口を開かず短縮するのに加えて、江戸弁の江戸っ子訛りの要素も加わっているのかもしれない。
その昔、庄内藩の酒井家が、江戸の治安を管理した新徴組(京都の治安を守ったのは新選組――今も警察官をお巡りさんというが、江戸を酒井家がお巡りした名残)を率いたが、そういった江戸との関係で江戸言葉も流入しているので、それらがミックスされて庄内弁が出来上がっているのも面白い。
時価は、京都の京ことばと庄内弁の共通点についてまとめてみます。