庄内弁の代名詞が時と場合により乱暴に聞こえます。
庄内弁 | 意味 | 庄内弁 | 意味 | |
おれ | 私(男女ともに使う) | = | おい | 私(男女ともに使う) |
おれがた | 私たちは | = | おいがた | 私たちは |
おめ | 貴方、お前 | おめがた | 貴方たち | |
おめだば | 貴方ったら | おめがだだば | 貴方たちってば | |
わ・わー | 貴方(または自分) | わーがだ | 貴方達(自分達) | |
おらほ | こちら側 | ⇔ | おめほ | あなた側 |
おらい | 私の家では | おめい | 貴方の家では | |
だだちゃ | おじさん、年輩の男性 | ⇔ | かがちゃ・ががちゃ | おばさん、年輩の女性 |
じじちゃ | お爺さん | ⇔ | ばばちゃ | お婆さん |
あねちゃ | お姉さん | ⇔ | あんちゃ・おんちゃ | お兄さん・弟 |
んばちゃ | 次女 | ⇔ | (お)んじ(ぇ) | 次男 |
おやぐ | 親戚 | = | おやご | 親戚 |
やろ | 男の人 | やろこ | 男の子 | |
やろだ | 男の子たち | わーだば | 貴方たちは |
庄内弁の代名詞の活用方法
「おらは死んじまっただ」のような、自分を示す代名詞としての「おら」は庄内弁では使用しない。
自分の事を「おら」という表現は庄内弁にはない。よくある東北地方の方言の特徴の様に思えるが、庄内弁では自分の事を「おら」とは言わない。男女問わず「おれ」「おい」を使用する。但し、「自分達側」と言う意味で「おらほ」(こちら側)という使い方はある。
女性でも自分の事を「おれ」「おい」というところが、少し乱暴に聞こえるかもしれない。
「貴方」を示す言葉として「おめ」が使われる。(これは「お前」が縮んだものと考えられる)
また、「自分」を意味する言葉として「わー」が使われる。が主語としての「自分は・私は」という活用はない。主語として「自分は」という時は「おれ」か「おい」が使われる。「おめ」と「わー」は微妙に違う。
例文「おめのごどは、おめでやれ」⇒「貴方のことはあなたがやってください」
例文「わーのごどは、わーでするもんだ」⇒「自分の事は自分でやるべきだ」
例文「おいのごどは、おいがやる」⇒「私自身のことは、私がやる」
男の人や男の子のことを「やろ」「やろこ」という。「野郎」から派生した言葉だろう。
しかし標準語の「あの野郎」という男性を卑下した言い方ではない。普通に「男の子」の意味なのだ。
標準語の感覚だと、随分乱暴な言い方に気負えると思う。
例文「あこの家のやろこ、嫁貰ったどや」⇒「あそこの家の男の子が、結婚して嫁をもらったんだって……」
自分を示す「俺」相手を示す「お前」からそれぞれ派生した方言になるが、元の「俺」「お前」のような乱暴な意味ではなく、ただ単に「私」「貴方」の意味なのだが、標準語の感覚からすると乱暴に聞こえそうだ。
「やろ」も「野郎」の意味ではなく、「男の子」の意味なのだが、標準語との比較では、乱暴に聞こえる。
他の言葉はそんなことはないのだが、代名詞においては、乱暴な印象を持たれる言い方だ。これを別の地方の人が聞いたら、喧嘩を売っているように聞こえたり、誰かを卑下して悪口を言っているように聞こえたりするのではないかと心配になります。
以上乱暴に聞こえる庄内弁でした。